発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004309630
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65歳女.発熱,腹痛,下痢を主訴とした.近医で慢性関節リウマチのコントロール中であった.急性腸炎と診断し,絶食のうえ補液と抗生物質投与を行った.徐々に改善傾向にあったが,12日目に暗赤色便を認め,その後便は徐々に新鮮血を帯びて貧血も悪化した.下部内視鏡検査を施行し,回盲弁部の粘膜浮腫,潰瘍形成,内腔狭小化を認めた.回腸末端部に地図状潰瘍を,回腸末端口側から新鮮血出血を認め,小腸潰瘍からの出血と考えられた.回腸末端の病理所見で,血管壁を中心にアミロイド沈着がみられ,AA型アミロイドーシスと判明した.ステロイドの増量と絶食による中心静脈栄養を開始し,内視鏡検査を行いながら,入院10週目から消化態経腸栄養剤の経口摂取を300kcal/日から開始した.カロリーは徐々に増量し,13週目からは中心静脈栄養を中止した.経腸栄養剤開始後7週目には,回盲部の浮腫は著明に改善し,潰瘍は瘢痕化,管腔の狭小化も改善していた.10ヵ月を経過する現在,再発傾向は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004