Japanese
English
原著
前脛骨型表皮水疱症(純型)の1家系
Pure Form of Pretibial Epidermolysis Bullosa: Report of a Family
小池 玲子
1
,
御子柴 甫
1
,
池川 修一
1
,
橋本 功
2
Reiko KOIKE
1
,
Hajime MIKOSHIBA
1
,
Syuichi IKEGAWA
1
,
Isao HASHIMOTO
2
1信州大学医学部皮膚科教室
2弘前大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Shinshu University
2Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
pp.313-319
発行日 1984年4月1日
Published Date 1984/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203019
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
前脛骨型表皮水疱症はごく稀な病型であり,従来,電顕的検索は全くなされていない.また,その独立性についても種々の論議がある.今回,著者らは前脛骨部に限局せる水疱発生が4世代にわたり9例に認められた1家系を経験したので,このうち4例を臨床的,電顕的に検索した.その結果,本症は臨床的には常染色体性優性遺伝形式を示す栄養障害型表皮水疱症の範疇に属し,電顕的に基底膜直下に水疱を形成し,非水疱部ではan—choring fibrilの発育不全を伴うことを見出した.また,前脛骨型に関する従来の報告を検討して,水疱ないし皮膚剥離が前脛骨部に限局しているような症例が同一家系内に3代以上にわたって発生しており,かつその家系内にPasini型やCockayne-Touraine型を思わせる症例が混在していないものを前脛骨型の純型と定義した.この定義によれば自験家系は純型として世界で3番目のものである.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.