Japanese
English
原著
正常および病的表皮基底側表面の走査電顕的観察—塩酸・コラゲナーゼ消化法を用いて
The Basal Surface of Normal and Pathological Epidermis : A Scanning Electron Microscopic Observation Using HCl-Collagenase Method
大草 康弘
1
,
長島 正治
1
,
高田 邦昭
2
,
平野 寛
2
Yasuhiro OOKUSA
1
,
Masaji NAGASHIMA
1
,
Kuniaki TAKATA
2
,
Hiroshi HIRANO
2
1杏林大学医学部皮膚科教室
2杏林大学医学部解剖学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
2Department of Anatomy, Kyorin University School of Medicine
pp.857-861
発行日 1983年10月1日
Published Date 1983/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202915
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塩酸・コラゲナーゼ法を用い,正常および病的皮膚(尋常性白斑・尋常性乾癬・ボーエン病)の表皮基底側表面を走査電顕下に観察した.
正常表皮では表皮突起の立体構築が観察されると同時に,メラノサイトと考えられる細胞の真皮側への突出像もみられた.尋常性白斑では表皮突起の扁平化とメラノサイトと考えられる細胞の減少・消失が,尋常性乾癬では表皮突起の肥大・延長・融合が,ボーエン病では巨大な表皮突起がそれぞれ観察された.
塩酸・コラゲナーゼ法は,従来用いられた種々の方法に比べ組織の変形などの人為的影響が少なく,しかも非遊離細胞表面の直接的観察を可能とさせるため,表皮基底側表面などの走査電顕的観察にきわめて有用な手段であると考えられる.
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