今月の主題 細胞膜
技術解説
細胞膜の電顕的研究法—凍結割断と組織細胞化学を中心として
川上 速人
1
,
高田 邦昭
1
,
西山 文朗
1
,
平野 寛
1
Hayato KAWAKAMI
1
,
Kuniaki TAKATA
1
,
Fumiaki NISHIYAMA
1
,
Hiroshi HIRANO
1
1杏林大学医学部解剖学教室
pp.625-633
発行日 1984年6月15日
Published Date 1984/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912212
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細胞膜の機能と関連した構造を電顕的に検索するために,近年さまざまな方法が考案されている.とりわけ凍結割断レプリカ法は,細胞膜の内部を露出させて,膜内成分の動態を追究する目的でよく用いられ,一方,組織細胞化学は,特定の細胞膜成分の分布や活性局在を検出するのに有効である.近年こうした方法は細胞膜の病態変化を解析するための手段として注目を集め,実際にこれらに基づいた研究が微細形態レベルで数多く報告されるようになってきた.今回凍結割断法と組織細胞化学的方法とを中心に,細胞膜の電顕的検索法の一端について具体的に解説し,その臨床的意義に触れる.
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