Japanese
English
原著
Eccrine Porocarcinoma in situの1例
A Case of Eccrine Porocarcinoma in situ
中村 節子
1
,
森田 吉和
1
Setsuko NAKAMURA
1
,
Yoshikazu MORITA
1
1天理よろづ相談所病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tenri Hospital
pp.717-722
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202892
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67歳男性.2カ月前より右下腹部に生じた腫瘤につき各種検索を実施した.腫瘍細胞は,やや小型で巣状に配列し,細胞の異型性が強く核分裂像も著明.細胞質内には,PAS染色陽性顆粒が散見され,ジアスターゼ・PAS染色で陰性.ムチン・ケラチン染色で被覆表皮(ケラチノサイト)と区別出来る.電顕的には,細胞間隙広く,絨毛突起豊富で,デスモゾーム,トノフィラメント少なく,又細胞内空胞形成を認めた(この空胞は,将来管腔を形成するものと考えられる).本症例は,転移巣,真皮への浸潤のない点より,eccrine porocarcinoma in situと考えられる貴重な症例で,本邦報告例中のeccrine poro—carcinomaと比較検討し,その意義について考察を加えた.
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