原著
Malignant Clear Cell Hidradenoma
久保田 潔
1
,
熊切 正信
1
Kiyoshi KUBOTA
1
,
Masanobu KUMAKIRI
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Hokkaido University
pp.723-727
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202893
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92歳,女性の顔面に生じ,遠隔転移を起こしたmalignant clear cell hidradenomaの1例を報告した.臨床的には,中心が潰瘍化した鮮紅色の巨大な腫瘤である.組織学的には,胞体が明るく,異型性のある核をもつ腫瘍細胞が小葉状の集塊を作り,薄い間質によって境されており,一部では管腔様構造,癌真珠の形成もみられた.酵素組織化学的には,フォスフォリラーゼとβ—グルクロニダーゼ陰性,コハク酸脱水素酵素,酸性フォスファターゼ,ロイシンアミノペプチダーゼ及びインドキシルエステラーゼはいずれも陽性であった.電顕的には,真皮内汗管への分化を示す細胞が不規則な空隙を作っていた.
本症はエクリン由来の汗腺癌とされているが,自験例もエクリン由来と考えた.
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