Japanese
English
原著
Eccrine Porocarcinomaの1例
A Case of Eccrine Porocarcinoma
御子柴 甫
1
,
久保田 康暉
2
Hajime MIKOSHIBA
1
,
Kouki KUBOTA
2
1信州大学医学部皮膚科学教室
2久保田皮膚科医院
1Department of Dermatology, Shinshu University School of Medicine
2Kubota Hospital
pp.239-245
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202199
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85歳女性の左下腿に6年前に原発し,その後左大腿,陰部,下腹部などの皮膚に広範囲な転移巣を生じた症例に各種検索を実施した.表皮および真皮内に,小型のクロマチンに富む細胞が腫瘍巣を形成し,腫瘍細胞はジアスターゼ消化性PAS陽性,コハク酸脱水素酵素陽性,フォスフォリラーゼ陽性,アルカリフォスファターゼ陰性である.一部に好酸性に染まる物質を入れる管腔構造を多数示す.管腔内物質はジアスターゼ抵抗性PAS陽性,コロイド鉄陽性,アルシアン青陽性である.電顕的に細胞内管腔形成を認めた.転移巣では,同様の腫瘍細胞が表皮内および真皮上層に胞巣を形成し,表皮内ではPaget現象を呈している.以上の点より表皮内汗管より発生したeccrine porocarcinomaが表皮向性に広範囲に転移した症例と考えられる1例を報告した.
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