Japanese
English
原著
悪性リンパ腫に合併した抗核抗体陽性の尋常性天疱瘡
A Case of Pemphigus Vulgaris Associated with Malignant Lymphoma Having Anti-nuclear Antibody
木花 光
1
,
石川 謹也
1
,
橋本 隆
2
Akira KONOHANA
1
,
Kinya ISHIKAWA
1
,
Takashi HASHIMOTO
2
1川崎市立川崎病院皮膚科
2慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kawasaki Municipal Hospital
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.359-362
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202826
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悪性リンパ腫の発病2年後に尋常性天疱瘡を併発した65歳男子例を報告した.臨床検査成績で抗核抗体320倍陽性,抗DNA抗体28.8U/ml, LE細胞陽性であったが,SLEの合併は臨床的に否定された.病変皮膚の表皮細胞間にIgG沈着あり.患者血清中には抗核抗体のみ陽性で抗表皮細胞間抗体は陰性であったが,血清を肝粉末で吸収したところ,抗表皮細胞間抗体が出現した.Paramethasone 16 mg/日内服治療にて皮疹は軽快したが,悪性リンパ腫が進行し敗血症にて死亡した.若干の文献的考察を加え,自験例が免疫系の異常を共通の基盤として悪性リンパ腫,天疱瘡および抗核抗体陽性という3つの病態を発症したものと考えた.
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