原著
Congenital Poikiloderma with Bulla Formation and Callus-like Hyperkeratosis
木村 俊次
1
,
馬場 恵美
1
,
籏野 倫
1
Shunji KIMURA
1
,
Emi BABA
1
,
Hitoshi HATANO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.1197-1203
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202756
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特異な病像を呈したcongenital poikilodermaの15歳男子例を報告した.両親はいとこ結婚であるが家族内に同症はない.身体発育障害,知能障害ともになし.生後1週頃より全身性に水疱,4〜5歳頃から顔面にも細血管拡張性の網状紅斑を主体とする皮疹を生じ,5〜6歳頃から手足に胼胝腫様角化局面を多発した.この他趾爪の変化,舌の白色角化性発疹,軽度の白内障を併発.組織学的に水疱は表皮下に存在したが,電顕的には基底細胞の変化による表皮内水疱で,anchoring fibrilに異常なし.内分泌学的・免疫学的検査を含む諸検査成績に異常なし,過去の報告例との異同につき検討したところ,本例が先天性表皮水疱症単純型の1特異型である可能性は完全には否定できず,なお検討の余地が残されているとはいえ,水疱を伴うcongenital poikilodermaに最も近似することから,表題の如く仮称して報告した.
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