Japanese
English
原著
特異な組織像を示したアポクリン腺腫
An Apocrine Adenoma with Peculiar Histopathological Findings
木村 俊次
1
,
馬場 恵美
1
Shunji KIMURA
1
,
Emi BABA
1
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital
pp.749-753
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203096
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60歳,男.頭頂に2年来,1.6×1.4×0.8cmの広基有茎性腫瘤が単発.組織学的に大小の胞巣をなす腫瘍細胞が真皮全層に増殖し,一部被覆表皮および毛嚢と連続する.被膜はない.腫瘍細胞はクロマチンに乏しい明るい核を有する細胞が主体をなし,その大部分は1〜2列の吻合状索条をなす.異型性や分裂像はない.これら胞巣内には充実性増殖部,嚢腫様構造,管腔構造,断頭分泌,角質嚢腫,脂腺様変化なども散在する.索条間や胞巣周囲の間質は弱好酸性,ほぼ均質化して硝子様を呈し,ジアスターゼ抵抗性PAS陽性を示した.これらの所見は一見,円柱腫のそれと類似するが,主たる細胞が基底細胞様細胞でない点などが合致しない.また自験例は他のアポクリン系良性腫瘍とも合致しないことから,表題のごとき名称を冠して報告した.
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