Japanese
English
原著
疱疹状皮膚炎—IgA沈着を示す1例の報告および本邦例の特徴について
Dermatitis Herpetiformis:Report of a Case with IgA Deposit and Characteristics of Japanese Cases
竹内 誠司
1
,
田沢 敏男
1
,
谷沢 恵
1
,
佐藤 良夫
1
Seiji TAKETJCHI
1
,
Toshio TAZAWA
1
,
Megumi TANIZAWA
1
,
Yoshio SATO
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.1173-1178
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202752
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
IgAが主としてfibrillar,一部granularに沈着してみられた31歳,女の疱疹状皮膚炎患者を報告した.また螢光抗体法陽性の本邦例31例につき集計を行い検討した.その結果,本疾患が男性に多くみられること,linear patternを示す症例では水疱が大きい傾向にあること,組織学的に乳頭部微小濃瘍が,lincar patternを示す例で見られない症例があったことは欧米例と一致した.しかし欧米例と異なり,本邦例ではIgAの沈着様式においてlinear patternが多く,HLA-B8はIgAの沈着様式に関係なく認められなかった.またDDSはlinear pattern, papillary patternを示す症例のいずれにおいても良く反応した.小腸粘膜の異常が2例に認められたが,うち1例は欧米例では無関係とされるlinear patternの症例であった.本邦においてfibrillar patternの症例はHLA-B8を有せず,また小腸生検でも正常を示すため,本質的には同様とされながらもgranular patternの症例とはどこか異なる印象をうけた.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.