Japanese
English
原著
D-ペニシラミンによると考えられた天疱瘡様皮膚病変
D-Penicillamine induced (?) Pemphigus-like Skin Lesions
加藤 宏
1
,
橋本 隆
1
,
加茂 紘一郎
1
,
西川 武二
1
,
清水 宏
2
,
山崎 雄一郎
3
Hiroshi KATO
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Koichiro KAMO
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
2
,
Yuichiro YAMASAKI
3
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
2立川共済病院皮膚科
3荻窪病院皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Division of Dermatology, Tathikawa Kyosai Hospital
3Division of Dermatology, Ogikubo Hospital
pp.1179-1184
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202753
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要約 患者,57歳女子.3年余のD-ペニシラミンによるリウマチ様関節炎の治療中に全身の瘙痒感,次いで同剤中止後に四肢の小水疱出現をみた.さらに,その後2ヵ月を経て天疱瘡様皮疹となったが,プレドニゾロン内服治療に速やかに反応した.組織学的に表皮内水疱の形成をみるも,光顕・電顕ともに棘融解は明らかでない.免疫学的には,螢光抗体直接法にて,表皮細胞間・基底膜部に免疫グロブリン沈着あり.免疫電顕にても,lamina lucidaへのIgG沈着が観察された.血中抗表皮細胞間抗体は皮疹増悪時のみ陽性であった.その性状については,通常の天疱瘡の血中抗体との間に差異は見られなかった.自験例は,臨床的,組織学的及び免疫学的に尋常性天疱瘡とは若干の相違を認める.この点,既報告例と比較検討するとともに,考察を加えた.
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