Japanese
English
原著
天疱瘡,類天疱瘡,ジューリング疱疹状皮膚炎の統計的観察—東北大学皮膚科教室5年間の観察
Statistical Observations of Bullous Dermatoses;Pemphigus, Bullous Pemphigoid and Dermatitis Herpeti formis Duhring
舛 眞一
1
,
横田 美智子
1
,
谷田 泰男
1
,
出光 俊郎
1
,
三浦 隆
1
,
清寺 眞
1
Shin'ichi MASU
1
,
Michiko YOKOTA
1
,
Yasuo TANITA
1
,
Toshio DEMITSU
1
,
Takashi MIURA
1
,
Makoto SEIJI
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.1165-1172
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202751
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昭和52年秋より昭和56年末にいたる約5年間に,天疱瘡22例,類天疱瘡19例,ジューリング疱疹状皮膚炎3例が認められた.天疱瘡群22例のうち,尋常性天疱瘡が17例,落葉状天疱瘡3例,紅斑性天疱瘡と増殖性天疱瘡が各1例であった.また類天疱瘡のうち1例は良性粘膜類天疱瘡であった.初診時血中抗体は,天疱瘡では22例中20例,類天疱瘡では19例中13例で陽性であった.両名とも血中抗体価は,臨床症状とほぼ相関して変動した.ジューリング疱疹状皮膚炎では,3例中2例で細線維状のIgA沈着が真皮乳頭部に認められ,他の1例は顆粒状であった.類天疱瘡の2例で悪性腫瘍(肺癌,食道癌)の合併が認められた,この2例とも血中抗体は陰性であった.食道癌の症例では,根治的手術後,水疱の新生も止まった.また臨床的に一見ジューリング疱疹状皮膚炎に似るが,螢光抗体法や組織所見で天疱瘡あるいは類天疱瘡と診断された症例がかなり認められた.
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