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本邦の疱疹状皮膚炎の現状
大畑 千佳
1
1久留米大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Dapsone
,
Steroids
,
自己抗体
,
鑑別診断
,
生検
,
経皮投与
,
皮膚炎-疱疹状
,
直接蛍光抗体法
,
遺伝的素因(疾患)
,
線状IgA水疱性皮膚症
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Autoantibodies
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Dapsone
,
Dermatitis Herpetiformis
,
Steroids
,
Fluorescent Antibody Technique, Direct
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Linear IgA Bullous Dermatosis
pp.1062-1066
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017051299
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疱疹状皮膚炎は痒みの強い小水疱が,慢性再発性に四肢伸側,とくに肘頭や膝蓋に集簇して生じる疾患であり,1884年にLouis Duhringによって初めて報告された.欧米人に多い疾患であり,通常,グルテン過敏性腸症(セリアック病)を合併している.疱疹状皮膚炎の症状はグルテン除去食により著しく改善することが知られているため,グルテン除去食が治療の第一選択となっている.本邦の疱疹状皮膚炎の臨床像は欧米の同症の臨床像とほぼ同様であるが,これまでの本邦報告例を検討したところ,グルテン除去食はほとんど行われていないことが明らかとなった.本稿では本邦の疱疹状皮膚炎を欧米の症例と比較しつつ概説し,最近われわれが報告した新たな知見についても紹介する.なお,本邦では古くよりDuhring(ジューリング)疱疹状皮膚炎という病名が好んで使用されているが,欧米では単に疱疹状皮膚炎(dermatitis herpetiformis)と記載されることが多い.本稿でもそれに倣い疱疹状皮膚炎を用いる.(「はじめに」より)
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