Japanese
English
症例報告
塊状のIgA沈着を呈したDuhring疱疹状皮膚炎の1例
A case of dermatitis herpetiformis Duhring with clumped IgA deposition
林 欣宇
1
,
氏家 英之
1
,
渡邉 美佳
1
,
馬場 慶子
1
,
阿部 理一郎
1
,
清水 宏
1
Hsinyu LIN
1
,
Hideyuki UJIIE
1
,
Mika WATANABE
1
,
Keiko BABA
1
,
Riichiro ABE
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology,Hokkaido University Graduate School of Medicine,Sapporo,Japan
キーワード:
塊状のIgA沈着
,
Duhring疱疹状皮膚炎
Keyword:
塊状のIgA沈着
,
Duhring疱疹状皮膚炎
pp.946-949
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103092
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要約 49歳,日本人男性.10年前から背部に掻痒を伴う皮疹が出現し,寛解と増悪を繰り返しながら徐々に体幹全体に拡大した.近医にてステロイド外用治療を受けたが,改善しなかった.軀幹,両上腕に類円形の径30mm大までの紅斑が散在し,小水疱を伴っていた.病理組織像では,真皮乳頭の微小膿瘍と表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法では真皮乳頭に塊状のIgA沈着を認めた.患者血清中の抗表皮トランスグルタミナーゼ(epidermal transglutaminase:eTG)IgA抗体が陽性であった.上下部消化管内視鏡,十二指腸および回腸生検,小腸カプセル内視鏡を行ったが,特に異常所見を認めなかった.Duhring疱疹状皮膚炎(dermatitis herpetiformis Duhring:DH)と診断し,ジアフェニルスルホン50mg/日を投与したところ皮疹は速やかに改善した.本症例のような塊状のIgA沈着パターンを呈するDHはまれである.また,本邦におけるDHの診断に,抗eTG IgA抗体の測定が有用であると考えられた.
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