原著
Pretibial Myxedema
宮本 伸子
1
,
小松 威彦
1
,
木村 俊次
1
Nobuko MIYAMOTO
1
,
Takehiko KOMATSU
1
,
Shunji KIMURA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.779-782
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202687
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両下腿伸側に多発性腫瘤形成を認める59歳,男性のPretibial myxedemaの1例を報告した.本症例は他にもバチ状指,多汗,眼球突出が軽度認められた.甲状腺機能は正常であったが,LATSは強陽性を示した.組織所見は典型的で,真皮全層にピアルロン酸を主体とする酸性粘液多糖類の高度の沈着をみた.皮疹はプロピオン酸クロベタゾールクリームのODTにて著明に軽快した.本例では治療としてhyaluronidaseの局注を行っていないにも拘らず,患者血清中にhyaluronidase inhibitorの存在を示唆する所見を得た.本inhibitorは抗ヒトガンマグロブリン抗血清にて阻害されなかったことから,LATSとは別のものと考えられた.
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