原著
Erosive Pustular Dermatosis of the Scalp
栗原 誠一
1
,
木村 俊次
1
,
西川 武二
1
Seiichi KURIHARA
1
,
Shunji KIMURA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kcio University School of Medicine
pp.767-771
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202685
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Erosive pustular dermatosis of the scalpは1979年Pyeらにより提唱された新しい疾患で,高齢女性の頭部に限局した慢性の膿疱・結痂・びらん性局面を呈し,後に瘢痕性脱毛を残す.著者らは本邦にて初例と思われる49歳女性例を経験したので報告した.初診の1年半前より頭部に小膿疱を混じた結痂びらん性汚穢な局面が出現し,その後指趾爪変形,躯幹の乾癬様皮疹を認めたため来院した.臨床検査にて免疫グロブリン増加,ツ反疑陽性,ブドウ球菌トキソイド皮内反応強陽性など若干の免疫異常を示唆する所見を得たが,組織学的には非特異的な慢性炎症像のみをみた.本症の詳細は今後の症例の集積を待つが,非感染性膿疱症に分類されるべき疾患と考えた.
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