Japanese
English
原著
Erosive Pustular Dermatosis of the Scalpの1例
A Case of Erosive Pustular Dermatosis of the Scalp
中村 雄彦
,
金子 博
1
Takehiko NAKAMURA
,
Hiroshi KANEKO
1
1長岡赤十字病院病理
1Department of Pathology, Nagaoka Red Cross Hospital
pp.465-468
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203259
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要約 Erosive pustular dermatosis of the scalpと考えられる15歳女の1例を報告した.初診20日前より右側頭部に瘙痒を伴う紅斑を生じ,頭頂から後頭にかけて次第に拡大,膿疱,結痂,糜爛,脱毛も生じてきた.局所から常在ブ菌が培養されたが,真菌,結核菌は陰性.一般検査,免疫学的諸検査は異常なく,皮膚組織は表皮は肥厚,基底層正常,真皮上層の小円形細胞浸潤あり,毛包はほぼ正常.プレドニゾロン軟膏の外用5日目頃より症状は改善し始め,3カ月後には皮疹,脱毛は著明に軽快した.
本症は1979年Pyeらの報告以来,追加例が次々と発表され,本邦でも栗原らの症例を第1例としていくつかの記載がみられる.しかし病因を初めとして,未だ解明されない部分もある.自験例は今迄記載されることの乏しかった本症の若年例の初期像と考える.
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