Japanese
English
原著
マダニによる野兎病
A Case of Tularemia Due to Tick Bite.
岡部 俊一
1
,
豊嶋 俊光
1
,
菅谷 彪
2
Shun-ichi OKABE
1
,
Shunkoh TOYOSHIMA
1
,
Takeshi SUGAYA
2
1平鹿総合病院皮膚科
2平鹿総合病院農村医学研究所
1Division of Dermatology, Hiraka General Hospital
pp.1155-1160
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202549
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要約 74歳,女.初診:昭和55年6月7日.住所:横手市城南町.住居近くの山の中で右耳朶をマダニ刺咬(ヤマトマダニのメスの成虫と推定).刺咬後7日目位より熱発と全身倦怠感,右頸部リンパ節腫脹.両下腿に結節性紅斑様野兎病疹.セファロスポリン系抗生物質に反応しないので来院.初診時恙虫病と野兎病を疑って諸検査.野兎病血清即時凝集反応陽性より野兎病と診断.ゲンタマイシンの筋注とテトラサイクリンHCIの内服にすみやかに反応.野兎病赤血球凝集反応,野兎病皮内テストも陽性.右頸部の癤様硬結の膿より野兎病菌を分離.マダニの刺咬後野兎病に罹患したのは,大原の2例についで本邦3例目.マダニが野兎病菌の保菌動物であることが知られているので,今後マダニによる野兎病も念頭において診療にあたる必要がある.
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