Japanese
English
原著
神経鞘腫—その2例と本邦皮膚科領域における報告例の総括
Neurilemmoma:Report of Two Cases and Review of Japanese Dermatological Literatures
奥田 長三郎
1
,
竹内 誠司
1
,
佐藤 信輔
1
,
猪股 成美
1
,
岡 吉郎
1,2
Chozaburo OKUDA
1
,
Seiji TAKEUCHI
1
,
Shinsuke SATO
1
,
Noriyoshi INOMATA
1
,
Kichiro OKA
1,2
1新潟大学医学部皮膚科教室
2長岡赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
2Section of Dermatology, Nagaoka Red Cross Hospital, Nagaoka
pp.909-914
発行日 1980年10月1日
Published Date 1980/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202305
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多発性ならびに単発性神経鞘腫の各1例を報告し,本邦皮膚科領域で発表された神経鞘腫63例と併せて統計的観察を行った.自験多発例では皮膚以外の部に腫瘍の存在を疑わせる所見がなく,また頭部腫瘍の被覆皮膚の一部に上皮性奇形を伴った腫瘍が見られた.統計上では皮膚の多発性神経鞘腫は従来考えられていたほど稀ではなく,かつ圧倒的多数が男子であった.また多発型は単発型に比して発症年齢が低く,しかも他臓器の腫瘍を合併する例が多いことが注目される.これらの点から多発性神経鞘腫は一種の母斑症とすべきものではあるが,神経鞘腫以外に所見のない症例はRecklinghausen母斑症とは区別すべきであると考えた.
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