Japanese
English
原著
Trichophyton violaceumによる体部白癬—自験夫婦例と本邦における報告例の検討
Tinea Corporis by Trichophyton violaceum:Cases of a Married Couple and Review of the Japanese Literature
奥田 長三郎
1
,
伊藤 雅章
2
Chozaburo OKUDA
1
,
Masaaki ITO
2
1済生会三条病院皮膚科
2新潟大学医学部皮膚科学教室
1Section of Dermatology, Saiseikai Sanjo Hospital
2Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
Trichophyton violaceum
,
体部白癬
,
頭部白癬
,
夫婦例
Keyword:
Trichophyton violaceum
,
体部白癬
,
頭部白癬
,
夫婦例
pp.647-651
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900949
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症例1:77歳男,顔面と頸部の拇指頭大までの紅斑.症例2:76歳女,第1例の妻,5年前にTrichophyton(T.)violaceumによる体部白癬の既往あり,夫の発症から1カ月後に顔面,頭部,項部,四肢に小指頭大までの紅斑が出現.2例ともステロイド外用歴があり,鱗屑からT.violaceumが分離され,抗真菌剤の外用で皮疹の消退をみた.その後,症例2の顔面に小指頭大の紅斑の再発,前頭部にblack dot ringwormの新生がみられた.両方から同じ菌を分離.症例1は,T.violaceumによる体部白癬の成人男性例であることと,夫婦間感染と考えられる点で,稀な症例と思われる.症例2を含む,T.violaceuln(glabrum)による,頭部白癬を伴う体部白癬の本邦23例(1969年〜1989年)の臨床的特徴を検討すると,通常12歳以下と60歳以上の女性の露出部位に小病巣が多発することといえる.
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