Japanese
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臨床経験
多発性神経鞘腫4例の治療経験と本邦報告例の検討
Multiple Neurilemmoma : Report of 4 Cases and Review of Japanese Literature
高橋 勇次
1
,
守屋 秀繁
1
,
六角 智之
2
Yuji Takahashi
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
2千葉市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University
キーワード:
multiple neurilemmoma
,
多発性神経鞘腫
,
neurofibromatosis
,
神経線維腫症
Keyword:
multiple neurilemmoma
,
多発性神経鞘腫
,
neurofibromatosis
,
神経線維腫症
pp.75-80
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100619
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抄録:神経鞘腫は一般に単発性であり,多発することは神経線維腫症(NF)に合併する場合を除き稀であるとされているが,近年,末梢神経や脊髄神経系に発生し,いわゆるNFとは異なる病態を示す多発性神経鞘腫の報告例が多くみられるようになってきた.今回われわれは,本邦において1964年から1998年まで医学中央雑誌に掲載され,“多発性神経鞘腫”と題された論文,抄録120例のうちNFとは異なる病状を呈したもの85例に自験例4例を加えた89例を対象とし,検討を行った.臨床的に,発生する神経が同一か否かという異所性の有無と,個々の腫瘍が臨床的に発見された時期に時間差があるかどうかという異時性の有無について分類した.文献による報告例では85例中57例が,自験例では4例すべてが異時性,異所性のいずれかを認めた.日常診療において神経鞘腫に遭遇した場合,多発性であることを念頭に置き,注意深く診察を行うべきと考える.
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