Japanese
English
原著
早死産後,脳症状を併発したヘルペス性歯肉口内炎
A Case of Gingivostomatitis Herpetica Associated with Encephalopathia at Postpartum
加賀美 潔
1
,
上田 恵一
1
,
西村 彰文
1
,
宮本 宣博
2
Kiyoshi KAGAMI
1
,
Keiichi UEDA
1
,
Akibumi NISHIMURA
1
,
Nobuhiro MIYAMOTO
2
1京都府立医科大学皮膚科学教室
2京都府立医科大学精神医学教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
2Department of Psychoneurology, Kyoto Prefectural University Medical
pp.827-832
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202117
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妊娠9ヵ月で早死産した35歳女子が産褥中に,歯肉口内炎に脳障害を併発し意識に混濁をきたしていたが,高熱に続いて全身の強直性痙攣発作を起こした.PSR,ASRの亢進など病的反射のほか,髄液の細胞数増多,糖の増加,EEGの異常を認め,口唇血痂からニワトリ漿尿膜上にpockを培養し,電顕でHSVであることを確かめた,対血清ではHSVに対するCF抗体が8倍から64倍に上昇していた.病極期にBUN,血中クレアチニン値の著明な上昇を来し,腎障害による脳症状も合併したと考えられた.
治療はVIG(Vaccinia Immune Globulin)を大量に筋注したが,何ら精神・神経学的後遺症を残すことなく治癒した.
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