Japanese
English
原著
持久性隆起性紅斑—症例報告ならびに免疫病理学的考察
Erythema Elevatum Diutinum--Case Report and Immunopathological Observation
末次 敏之
1
,
風間 敏英
1
,
石橋 芳男
1
Toshiyuki SUETSUGU
1
,
Toshihide KAZAMA
1
,
Yoshio ISHIBASHI
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine
pp.711-714
発行日 1979年8月1日
Published Date 1979/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202102
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症例は41歳,女性.約1年半前から左肘頭部に紅色小結節が出現し,次第に中央部が自潰,瘢痕治癒した.以後,両肘頭部に同様の丘疹が出没した.4〜5年来,関節痛があり,現在う歯多数.紅織像は,壊死性血管炎と著明な線維化を示した.検査上,異常所見なし.螢光抗体法で血管壁にIgG, IgA, IgM, C1q,フィブリンの沈着を観察.本症は,その発生にアルサス型アレルギー反応の関与が考えられ,発生機序に於て皮膚アレルギー性血管炎と軌を一にし,傷害因子に対する個体の感受性,組織のprocess等の差異により,特有な臨床像を呈する一疾患と考えられた.そしてHutchinson型に於ける個体の感受性,組織processは,Bury型に比して皮膚アレルギー性血管炎により接近しているため,両者の移行・重複の可能性があり得ると推察された.
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