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持久性隆起性紅斑病因知見補遺
范如 霖
1
,
上田 泰章
1
,
關口 浩一
1
1京都府立醫科大學皮膚泌尿器科教室
pp.383-387
発行日 1952年8月1日
Published Date 1952/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200775
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余等は先に環状肉芽腫と對比する意味に於て(皮膚科紀要近刊の豫定)本症に就き略述し肉眼的所見に於ては前者と多くの類似點を有するに拘らず二者の間に病因上明らかな相違のある事を指摘した。其の後,余等は京都府立醫科大學皮膚科外來に於て本症の一例に遭遇する機會を得たので茲に其の症例を報告し聊か其の病因に就いて私見を述べ前の報告の追加となし度い。
1887年Middelsonの命名にかゝる本症は一種の瘴氣性疾患として見做されて來たもので,Ma-cleod, Favera,Andrewsに依つて多形紅斑の一異型として分類されて來たものであるが,之は其の臨床的所見よりも,多く其の發生機序の共通性に因るものと思われる。近年アレルギー殊にRössel,Gerlach,Klingeの組織アレルギーの解明に依つてかゝる見地から組織學的に二者の間に病因上一聯の共通性を有する事が證明され,其の臨床的所見や經過の上では本症を後者の一型となすに多少困難があるにも拘らず瘴氣性,中毒性,細菌性アレルギーに因る所謂徴候性紅斑として廣義に解する時,本症を多形紅斑の一型となすに就いては充分な根據が認められる。アレルギー性疾患として嘗てJadassohnが1.濕疹。2.蕁麻疹。3.前二者に該當せざる病型。
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