印象記
イラン皮膚科学会に参加して
手塚 正
1
1近畿大学医学部皮膚科
pp.888-889
発行日 1978年10月1日
Published Date 1978/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201970
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昨年メキシコの国際学会から帰国してしばらくすると,たしか11月中旬だったと記憶していますが,第5回イラン皮膚科学会の案内状が突然舞込んで来ました.メキシコの学会の懇親会で名刺を交換した中近東の教授が居たなと憶い出して名刺をみるとトルコの教授で,どうもイランの教授は記憶にありません.理由は後日判明しましてAmerican Aca—demy of Dermatologyの会員に案内状を送ったというわけです.トピックスは"中近東の皮膚病と皮膚科の治療上の問題点について"でしたので,"lamellar ichthyosisの症例に対する尿素軟膏とビタミンA酸の治療効果"という演題を出し結局参加することにしました.
イランというとなじみのない方もあるかもしれません.現在毎日新聞連載小説「流沙」の舞台でもあります.日本とは歴史的につながりも深く,ササン朝ペルシャ時代の,たしかガラスの壺が正倉院に大切に保存されているはずです.中東第2位の産油国でアングロイラニアン石油会社を国有化した際,出光石油が一番に国有化した石油を買った因縁もあります.Seyedi教授(テヘラン大学医学部皮膚科主任教授)の話ですと,現在でもSeven Sistersに販売面を一手に握られているので,国有化したものの思うようにはいかないのだそうです.
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