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「イラン・クエートを診る」を読んで—砂漠の国から学ぶもの
木下 安子
1
1東京大学衛生看護学科
pp.17
発行日 1965年1月15日
Published Date 1965/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202965
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世界は狭くなった。ものがたりの国,アラビヤやペルシャに学生が見学旅行する時代になった。この本は慶応義塾大学の公衆衛生学研究会に属する医学生達が中近東に見学旅行をした記録である。
『他国の,しかも,いわゆる工業国でない国の健康や公衆衛生を診ることによって日本のそれを反省することは,意味のあることだ……中近東の諸国を診て,そのなかから「学びとり」を行うことに賛成し,その団長を引き受けた』とこの書の筆者である土屋健三郎(慶応義塾大学医学部衛生学公衆衛生学助教授)団長は旅行の意味を述べているが,クェート政府やテヘラン大学その他多くの機関,施設,あるいは個人の好意の支えがあったこととはいえ,このようなプランが実行出来る時代なのだと,ちょっとびっくりさせられた。
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