産科医がみた世界の素顔・10
中近東,特にイランの風土,歴史,近況などと医療(1)
品川 信良
1,2
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
2弘前大学医療技術短期大学部専攻科
pp.721-726
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205301
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第12章 イラン──乾いた風土とその歴史
昭和48年(1973)のオイルショック,そのころから頻発したパレスチナゲリラや日本赤軍によるハイジャック,テヘランにおけるアジアオリンピック(1974)などによって,中近東,アラブ産油国,イランなどと日本との距離は,非常に縮まったかにもみえる。また近年,この地域に対する日本人の認識は,かなり深まるとともに改まりつつもあるが,しかし,まだまだ不十分であるばかりか,「甘い」と思われる点が少なくないので,私の見聞をもとにして,若干の解説を加えてみたい。なお,私がこれまでに,ある程度のことを見聞できたのは,西の方からあげて,イスタンブール,ベイルート,テヘラン(以下いずれもイランの都市や遺跡),イスファハン,シラズ,ペルセポリス,ラムサールなどの諸都市のその周辺地域を中心にしてであるので,話は主としてイランに限られることになる。
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