鏡下囁語
イランの首都テヘランでの学会と病院の印象記
加我 君孝
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床研究(感覚器)センター
pp.94-97
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102719
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1.ヨーロッパの中世1000年の間,ギリシャ・ローマの医学を継承発展させた中東の国々
2500年前のギリシャのヒポクラテスの医学は,西暦100年の後半に,ローマのガレノスに受け継がれて発展した。その後ヨーロッパは中世に入り,14世紀のルネサンスまで約1000年もの間,医学は停滞していたかのように教わってきた。実はギリシャ・ローマの医学は,トルコを経て中東諸国に継承され大きな発展をした。イラン,すなわち昔のペルシャはその拠点の1つであった。ルネサンスを迎え,ペルシャ語やアラビア語で書かれた医学書がイタリアのサレルノでラテン語に訳された。その訳がヨーロッパ各国に伝えられた。筆者は2012年5月にイラン聴覚医学会の特別講演に招かれたことを機会に,テヘランで見聞きしたことを報告したい。
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