Japanese
English
原著
悪性黒色腫を合併したOculocutaneous Albinismの1例
A Case of Oculocutaneous Albinism Complicated with Malignant Melanoma
吉岡 順子
1
,
北村 弥
1
Junko YOSHIOKA
1
,
Wataru KITAMURA
1
1奈良県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nara Medical University
pp.355-364
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201887
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生来Oculocutaneous albinismを有する32歳の女性に悪性黒色腫を併発した1例を報告した.約2年前より右鼠径部に皮下腫瘤が発生し,これが2回の妊娠,出産を期に増大した.病理組織所見は,所々にメラニンを含む腫瘍細胞の集塊であった.原発巣と思われる右下腿後面の黒青色色素斑は,組織学的には青色母斑でわずかに悪性像を呈していた.放射線療法,BCG療法を行ったが効果がなく,入院3ヵ月後に死亡した.剖検で,肺,肝,腎,小腸,腸間膜,脊椎骨,脳軟膜への転移をみた.
Albinismと悪性黒色腫の合併例は非常に稀であり,本邦では自験例が第1例である.過去9例の報告のまとめとともに,これらと自験例との比較検討,また妊娠,出産と悪性黒色腫との関係などにつき論述した.
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