Japanese
English
症例
悪性黒色腫の2例
Two Caes of malignant Melanoma
井上 司
1
,
樋口 昭司
1
Tsukasa INOUE
1
,
Shoji HIGUCHI
1
1札幌医科大学外科学教室
1Surgical Clinic, SAPPORO Medical College
pp.281-284
発行日 1955年4月20日
Published Date 1955/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201605
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悪性黒色腫はメラニン色素を含む悪性度の強い腫瘍であるが,その病理学的本態については不明で,いまだに定説がない.
悪性黒色腫の歴史はふるく,すでにHippokra—tesおよびCelsusが記載しているともいわれているが,1806年Lannecが黒色に着色した腫瘍をMelanoseと称して報告したのが最初である.1834年,Müllerは,Carcinoma melanodeと称して癌の一型と看做し,上皮発生説を唱えたが,これを支持するものとして,1883年に,Unnaの報告があり,ついで1907年,Wietingおよび,Handiらはメラニン色素を形成するのは,上皮細胞のみであると説明し,この種の細胞を,Melanoblastenと呼び,かゝる腫瘍をMela—noblastomと称した.
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