Japanese
English
皮膚科図譜・95
悪性黒色腫の1例
A CASE OF MALIGNANT MELANOMA
西田 尚史
1
Hisashi NISHIDA
1
1東大皮膚科
1Department of Dermatology, University of Tokyo
pp.321
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202517
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
64歳男子。4年前左足踵に針を刺し,その後次第に角化,同時に黒褐色を帯びてきた。3年前外科医により全剔。其の後切除周辺部より再び黒色の腫瘤を生じ徐々に増大した。左足踵外縁よりに表面やや半球状に隆起し鳩卵大の腫瘤があり,中央部紫赤色を帯び,境界は比較的鮮明である。その周辺に約1乃至2cm離れて大豆大の黒色の小膝瘤が数個半環状に並んでいる(第1図)。組織検索の結果膝関節の下10cmで左脚を切断,左鼠径,股腺を廓清した。組織学的には表皮は崩壊し,腫瘍細胞がこれに侵入増殖している。其の直下より真皮深層に亘つて腫瘍細胞の集団があり,周辺部には炎症性細胞浸潤がある。腫瘍細胞はメラニン顆粒を含んだ多角形乃至紡錘形細胞で,異形が強く,細胞分裂像も認められる(第2図)。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.