Japanese
English
症例
悪性黒色腫の1例
A Case of Malignant Melanoma
米光 真一
1
Shinichi YONEMITSU
1
1米光外科医院
pp.97-98
発行日 1960年1月20日
Published Date 1960/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202539
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黒色腫は1086年LaennecがLa mélanoseと称えてより今日迄にすでに約150年を経,その間幾多の研究が重ねられて来た.すなわちCarci-noma melanodes(Muller,1834),Melanoblas-tom(Handi,1907)と上皮発生説を唱えたに対して,Virchowは1864年黒色肉腫の存在を指摘し,黒色腫には単純性黒色腫,黒色癌および黒色肉腫に分類すべきであると唱えた.その後Chro-matophrom(Ribbert)と称し非上皮発生説も擡頭し1914年筒井,1928年Hermann,Simon等もまたこの説を支持しているが,この黒色腫は数多くの名称が示すようにその発生部位により,あるいは組織学的ならびに生物学的性状において極めて変異に富み,今日なおその本態ないし組織発生について統一的概念を導き得ず,臨床的にも病理ないし腫瘍学的にも特殊の位置を占める腫瘍群である.
私は最近70歳の男子の踵部の鶏眼に原発した黒色腫の1例を経験したので報告する.
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