Japanese
English
原著
Phialophora gougerotii感染症の1例—1症例と本邦報告例について
A CASE OF CHROMOMYCOSIS CAUSED BY PHIALOPHORA GOUGEROTII : REPORT OF A CASE AND THE CASES REPORTED IN JAPAN
北浦 弘幸
1
,
前田 元道
1
,
妹尾 浩一
2
,
小田 咲子
3
Hiroyuki KITAURA
1
,
Motomichi MAEDA
1
,
Kouichi SEO
2
,
Sakiko ODA
3
1広島大学医学部皮膚科学教室
2東洋工業附属病院皮膚科
3広島大学医学部附属病院中央検査部
1Department of Dermatology, Hiroshima University School of Medicine
2Division of Dermatology, Toyo Kogyo Hospital
3Central Clinical Laboratory, Hiroshima University Hospital
pp.685-690
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201783
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32歳,女子.昭和37年SLEの診断をうけ,以後ステロイドホルモンの内服を続けている.その間,時期は不明だがステロイド糖尿病を併発していた.昭和48年8月頃左肘部を蚊に刺され,その後同部位に多発性の皮下腫瘤(囊腫様)および皮下膿瘍を形成し,各種の治療に抵抗性を示した.培養により黒色真菌をえ,スライドカルチャーなどにより,本分離菌をPh. gougerotiiと同定した.治療としては,最近クロモミコーシスにたいして,5—Fluorocytosine(5—FC)の有効性が報告されており,われわれは外科的に切除するとともに,5—FC(9.5〜7.5g/日),アンホテリシンB(300mg/日)の内服を併用して良好な結果をえたのでここに報告した.術後約10カ月を経過した現在迄再発はみられていない.なお,5—FCの本分離菌にたいする最小発育阻止濃度(MIC)は1.56μg/mlであつた.
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