Japanese
English
原著
Phialophora gougerotiiによる皮膚膿瘍
A CASE OF MYCOTIC ABSCESS CAUSED BY PHIALOPHORA GOUGEROTII
岡 吉郎
1,2
Kichiro OKA
1,2
1長岡赤十字病院皮膚科
2新潟大学医学部皮膚科学教室
1Dermatological Department, Nagaoka Red Cross Hospital
2Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.209-216
発行日 1974年3月1日
Published Date 1974/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201274
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
24歳,女子.SLEにてステロイドによる治療中.右手小指に難治性の皮膚膿瘍を,手指に皮下結節を生じ,培養により黒色真菌を得た.菌学的に検討し,若干の問題点はあるが,本菌をPh.gougerotiiと同定した.本菌が37℃で発育を示さないことから,温浴による治療を試み,指背の皮疹は完治した.しかし手背の皮下結節には効果なく,これは摘除した.Ph.gougerotiiによる疾患は稀であり,温浴が奏効したという報告はみられないので,ここに報告した.なおこの患者には難治性の爪カンジダ症,再発性の皮膚粘膜カンジダ症があり,またツ反陰性,DNCBテスト陰性など細胞性免疫の低下による真菌感染への抵抗性の減弱がうかがわれた.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.