the case of month
Phialophora verrucosaに感染し長期加療された黒色真菌症の剖検例
藤本 智子
1
1東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
キーワード:
Amphotericin B
,
黒色分芽菌症
,
Flucytosine
,
Interferon Gamma
,
嘔吐
,
悪心
,
再発
,
発熱
,
皮膚移植
,
皮膚炎-接触性
,
薬疹
,
致死的転帰
,
抑うつ
,
Lanoconazole
,
Voriconazole
,
剖検
,
腎機能障害
,
Luliconazole
,
Phialophora verrucosa
Keyword:
Amphotericin B
,
Chromoblastomycosis
,
Depression
,
Drug Eruptions
,
Dermatitis, Contact
,
Fever
,
Flucytosine
,
Interferon-gamma
,
Nausea
,
Recurrence
,
Vomiting
,
Skin Transplantation
,
Fatal Outcome
,
Renal Insufficiency
,
Voriconazole
,
Latoconazole
,
4-(2,4-dichlorophenyl)-1,3-dithiolan-2-ylidene-1-imidazolylacetonitrile
pp.885-890
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016016688
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<症例のポイント>13歳より発症したPhialophora verrucosa(P.verrucosa)による黒色真菌症を60年にわたり長期加療、観察し剖検まで行った例を経験した。本疾患の皮膚病変は、疣状の痂疲をつける角化性の病変と、抜き打ち様を呈する潰瘍、皮下結節でありすべての病変には菌糸型の菌要素が存在しsclerotic cellを認めなかった。本例では経過中数年は寛解とみられている期間があったが、病期当初から皮下結節や突然出現する潰瘍性病変がみられており原発巣が不明であった。剖検では皮膚、リンパ節、腹部大動脈、肺、脊髄、骨への菌の直接浸潤を認め、長期にわたる菌の寄生部位としては腹部大動脈を考えた。P.verrucosaの臓器浸潤がみられたにもかかわらず、直接の死因には至らなかった。治療抵抗性の長期罹患例は免疫機能不全を合併することが知られているが、本症例では明らかな免疫不全については不詳であった。中枢神経へのP.verrucosaの浸潤は本例が世界的にみて初症例であった。
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