Japanese
English
原著
Phialophora verrucosaによるクロモミコーシスの1例
A Case of Chromomycosis Caused by Phialophora verrucosa
伊藤 美香
1
,
岩津 都希雄
2
Mika ITOH
1
,
Tokio IWATSU
2
1千葉大学医学部皮膚科教室
2成田赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, School of Medicine, Chiba University
2Division of Dermatology, Narita Red Cross Hospital
pp.435-439
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203253
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39歳,家婦の背部に生じたPhialophora verrucosaによるクロモミコーシスの1例を報告した.病巣内における菌の寄生形態は,sclerotic cells,胞子連鎖および菌糸であったが,治療によりsclerotic cellsのみとなった.P.verrucoaはFonsecaea pedrosoiに比して,病巣組織内においてsclerotic cellsという一種の耐久形で寄生に適した形態に変換しにくいのではないか,それが要因のひとつとなって,前者は後者と比べて,人体皮膚に感染することが困難なのではないかと推論した.また,黒色真菌感染症の病型分類にあたっては,原因菌の組織内寄生形態ではなく,臨床像に主眼をおくべきであると考え,若干の考察を加えた.
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