Japanese
English
原著
紅色硬結を主訴とした白血性細網症
A CASE OF LEUKEMIC RETICULOSIS COMPLAINING SUBCUTANEOUS NODULES
北村 啓次郎
1
,
田村 晋也
1
,
栗原 誠一
1
,
籏野 倫
1
Keijiro KITAMURA
1
,
Shinya TAMURA
1
,
Seiichi KURIHARA
1
,
Hitoshi HATANO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.9-17
発行日 1977年1月1日
Published Date 1977/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201680
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腰背部前胸部の結節性紅斑様皮疹および両側乳房内多発性結節を皮膚症状とし,末梢血中に異型単核細胞(64.5%),骨髄異型細胞(92.8%),の出現をみとめ,約8カ月の経過で死亡した29歳女子のleukemic reticulosisの臨床的知見を記載した.本例の直接死因は病末期に合併した全身性カンジダ症,とくにカンジタ性腸炎による麻痺性イレウスであり,本症における真菌感染症合併とその予後に注目した.
更に,皮膚,末血,リンパ節,骨髄中の異常細胞について光顕的,電顕的,細胞化学的に検討を加え,すべて同一の細網細胞様異型細胞からなることを認めた.
臨床皮膚科学的に本例は現時点では原発部はきめがたいが,malignant reticulosisの白血化したもの,即ち,leukemic reticulosisあるいは,reticuloblastosisの1例として整理しておきたいとする考えを述べた.
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