Japanese
English
原著
顔面半側萎縮症,剣傷状鞏皮症を伴う多発性モルフェア
Multiple Morphea with Facial Hemiatrophy and Sclerodermie en Coup de Sabre
西川 武二
1
,
塩原 哲夫
1
,
今井 民
1
,
北村 啓次郎
1
,
籏野 倫
1
Takeji NISHIKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
,
Tami IMAI
1
,
Keijiro KITAMURA
1
,
Hitoshi HATANO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.55-59
発行日 1979年1月1日
Published Date 1979/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202007
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14歳,女子にみられた,顔面半側萎縮症,剣傷状鞏皮症を合併した多発性モルフェア症例を報告した.皮膚病変の一部には白点状硬化斑が融合しモルフェアへと進行する部が観察された.同部の病理組織所見は,膠原線維の膨化,増生に加え,汗腺附属器用囲に集簇したリンパ球浸潤が著明であった.免疫血清学的に抗核抗体陽性,RAテスト陽性,RAHA高値などの異常を示したが,Acrosclerosis,舌小帯短縮はみられず,肺・食道所見に異常なかった.以上より本例は,多発性モルフェアが汎発性強皮症と同様に発症の共通の基盤として,免疫異常が関与することを示唆する症例と考えられた.種々の治療に抵抗し,なお発疹は一部で軽快,一部で進行性である.
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