Japanese
English
原著
Pseudoxanthomatous Rheumatoid Nodules
A CASE OF PSEUDOXANTHOMATOUS RHEUMATOID NODULES
北村 啓次郎
1
,
籏野 倫
1
Keijiro KITAMURA
1
,
Hitoshi HATANO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.685-690
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201631
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63歳男子,慢性関節リウマチの経過中多数の大結節を全身諸所に生じ,ついには肺線維症,肺性心で死亡した1例を報告した.本例の皮下結節は大きく多発性で,破れると漿液膿性粘稠液の流出をみとめるcysticなもので,1967年Wattらがpseudoxanthomatous rheumatoid nodulesとして報告した症例に極めて類似するものであつた.Wattらの例は組織像では特異な所見に乏しく詳細な記述がないが,自験例では,fibrinoid degenerationを伴うnecrobiotic collgen tissueに加えて,著しいfoam cellの浸潤を認め,これらが崩壊してcyst内容物となつてゆく様に見えた.さらにこれらfoam cellは脂肪染色陽性でcyst内容及び血中の脂質の分析などから何らかの不明のストレスのために,異常に貪食能の亢進した組織球線維芽細胞系が血中由来の脂質を貪食し,かかるfoam cellが形成されたと考えた.したがつてRA noduleの1異型としてのpseudoxanthomatous rheumatoid noduleという病名は,組織学的にも妥当性のあるものと思われる.
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