臨床経験
若年性関節リウマチ(Juvenile Rheumatoid Arthritis)について
広畑 和志
1
Kazushi HIROHATA
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
pp.46-60
発行日 1970年1月25日
Published Date 1970/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904356
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いとぐち
若年性関節リウマチJuvenile rheumatoid arthritis(以下JRAと略す)は1864年に最初Cornilにより記載されたが,これに対してその後Stillが関節炎の他に強い全身症状すなわち,全身性淋巴線腺腫脹,脾腫,発熱などのある症例を認め,Still病と呼ばれてきたのである.しかしながら最近わが国では,一般には若年性関節リウマチの名称が用いられるようになつた.
JRAについての報告は,欧米で多いのに反して,わが国では比較的少なく,現在までこの疾患はあまり注目されなかつたといえよう.確かに現在では多数の抗生物質の出現に伴つて,リウマチ熱,結核が激減し,さらにポリオワクチンの発見により脊髄性小児マヒの後遺症までもほとんど見られなくなつた.従つて著者はやがてこのJRAが将来のcrippled childrenの一つの原因的疾患として,整形外科領域で重要視されるべきものと考えるのである.
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