原著
Stellate Spontaneous Pseudoscars
斉藤 隆三
1
,
山手 哲明
1
,
山本 達雄
2
Ryuzo SAITO
1
,
Tetsuaki YAMATE
1
,
Tatsuo YAMAMOTO
2
1北里大学医学部皮膚科
2東京都養育院付属病院皮膚科
1Department of Dermatology, School of Medicine, Kitasato University
2Department of Dermatology, Tokyo-to Yoikuin Hospital
pp.637-640
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201623
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Colombら(1967)により報告された"Stellate spontaneous pseudoscars"は60歳以上の老人の手背から前腕伸側にしばしばみられる皮膚変化で,その臨床像は線状,三角形,星形などを呈し,やや浸潤ある白色調瘢痕様皮疹で,自覚症状はない.病理組織学的には真皮上層での線維性結合織の集塊とされているが,自験例はいずれも膠原線維の変性が主体をなしていた.その発生頻度について統計学的検索を行つたが,平均37.4%の発生率をみるも,男性は女性に比し有意の差をもつて多く発生することが知れた.年齢別の発生率は男女共に年齢差はなく,本症は60歳でほぼ完成され,その後の発生は少ないものと思われる.
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