Japanese
English
原著
Eccrine Ductocarcinoma—臨床的,組織学的,組織化学的ならびに電顕的特性
ECCRINE DUCTOCARCINOMA : CLINICAL, HISTOLOGICAL, HISTOCHEMICAL AND ELECTRON MICROSCOPIC CHARACTERIZATION
小倉 治雄
1
,
三島 豊
2
Haruo OGURA
1
,
Yutaka MISHIMA
2
1和歌山県立医科大学皮膚科学教室
2神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University
2Department of Dermatology, School of Medicine, Kobe University
pp.595-604
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201616
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附属器の微細構造ならびに機能的(酵素組織化学的)特徴は近年明らかとなりつつあり,具体的各種附属器腫瘍の本態の追求に応用できる段階となつている.
右下腿に8年来あつた腫瘤が2カ月前から急速に増殖するとともに転移を来し,死亡した72歳男子例を検索した.1)腫瘍細胞は索状構築を示し,特に腫瘍辺縁部には正常エクリン汗管のみならず,一部癌化した管壁細胞を有するエクリン汗管を見た.2)腫瘍細胞巣はSDG,P-laseが強陽性;AcPase,β-Gが陰性,一部弱陽性でエクリン系の酵素パターンを示した.3)大部分の腫瘍細胞は糖原に富み,更に少数のsialomucin含有細胞が存在していた.4)電顕的に管腔様構造,villi様突起,D-T complex,糖原,sialomucin顆粒,管腔の辺縁に小空胞があり,高電子密度の粘液顆粒,分泌細管の欠如,等より本例はeccrine ductocarcinomaとしての構造ならびに機能的分化を示すと考察した.
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