Japanese
English
原著
Eccrine Ductocarcinomaの1例
A Case of Eccrine Ductocarcinoma
斎田 俊明
1
,
石原 明徳
2
Toshiaki SAIDA
1
,
Akinori ISHIHARA
2
1埼玉県立がんセンター皮膚科
2埼玉県立がんセンター病理部
1Dermatology Clinic, Saitama Cancer Center Hospital
2Department of Pathology, Saitama Cancer Center Hospital
pp.955-960
発行日 1980年10月1日
Published Date 1980/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202312
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
66歳男の前頭部に生じた10数年の経過を有する略鳩卵大の結節.被覆表皮は略正常で,結節は皮内から皮下にかけて触知される.組織学的に腫瘍細胞は比較的小型の立方形状細胞で,はっきりとした異型性が認められる.真皮中層以下深部にまで,大小種々の胞巣をなして増殖している,胞巣の形状は多彩で,浸潤性増殖のみられる大型のものから小型索状で管腔形成傾向の顕著なものまで種々の所見を呈する.胞巣内外には線維化傾向が目立ち,一部には多量の粘液様物質も存在していた.これらの細胞形態学上,組織構築上の特徴から,本腫瘍をエックリン汗器官の真皮内汗管部に相当する癌,即ち三島らの分類におけるeccrine ductocarinomaであると診断した.エックリン系"汗腺癌"の本邦報告例をまとめ,また分類法その他について2,3の問題点を指摘した.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.