Japanese
English
原著
代謝性汎発性石灰沈着症の1例
A CASE OF CALCINOSIS UNIVERSALIS MLTABOLICA
吉井 恵子
1
,
田代 正昭
1
Keiko YOSHII
1
,
Masaaki TASHIRO
1
1鹿児島大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kagoshima University
pp.589-594
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201615
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5歳男子.約2週間前に気づいた右膝蓋部の膿疱様丘疹を主訴とする.両側膝蓋下部の伸側を中心として皮表は凹凸不整,触れると硬く大小の結節を触知し,右膝病変部の中央には膿疱様丘疹がみられ,周囲を圧するに粥状内容物を混じる漿液を圧出する.レ線撮影により同部に一致して大小の陰影を集族性にみとめる.内容物はCa3(PO4)2が主成分であり,病理組織学的には真皮の中〜下層にかけて,一部は皮下組織にまでおよぶ石灰沈着がみられ,膠原線維・弾力線維の変化もみとめられる.血清電解質の変化をはじめとする臨床検査では特異な所見はみられず,また他の組織や器官への石灰沈着もみとめられなかつた.
本症の発生機序・分類など種々意見の多いところであるが,本症をふくめ文献的考察を試みた.
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