Japanese
English
原著
組織学的にPapillomatose Confluente et Reticuleeの所見を示し,色素性痒疹様の皮膚症状をきたした1例について
A CASE WHICH SHOWED PAPILLOMATOSIS OF GOUGEROT AND CARTEAUD HISTOLOGICALLY AND PRURIGO PIGMENTOSA-LIKE SKIN SYMPTOMES
古田 彦太郎
1
,
多田 広祠
1
,
松田 博子
1
Hikotaro YOSHIDA
1
,
Hiroshi TADA
1
,
Hiroko MATSUDA
1
1岡山大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
pp.155-161
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201556
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臨床的には長島らの記載した色素性痒疹に一致し,組織学的にはPapillomatoseconfluente et reticuleeに一致する所見のみられた21歳女性の1例を報告した.
この症例の初発疹は乳房間部における膨疹様扁平丘疹であり,月経期およびその前後に瘙痒発作をきたし,その度毎に皮疹の増悪,拡大をきたした.しかし初診時より投与したsulfis—omezoleは著効を呈し,以後瘙痒発作の発現はみられなくなつた.また初診時組織学的に認められたpapillomatosisも3週間後には著しく軽快する傾向を示した.
自験例はPapillomatose confluente et reticuleeと色素性痒疹の両者の特徴を併有し,両疾患の異同に関して問題を提起する興味ある1例と考えられたのでここに報告した.
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