Japanese
English
原著
成人水痘と帯状疱疹の臨床疫学的考察
CLINICO-EPIDEMIOLOGIC STUDY OF CHICKENPDX IN THE ADULT AND HERPES ZOSTER
筏 淳二
1
,
加賀美 潔
1
,
佐藤 みち子
1
Junji IKADA
1
,
Kiyoshi KAGAMI
1
,
Michiko SATO
1
1京都府立医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.971-976
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201512
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成人水痘例を本邦文献と当科受診者から,帯状疱疹例を当科受診者から選びだした.発症年齢分布では両症例ともにピークを20歳前後に認めた.これらの年齢分布は20歳前後にその反応性が最高に達するT cellが両症の発症に関与することを示唆するとも解釈できよう.
水痘の既往があり,帯状の疹を伴わないatypical generalized zoster (Schimpff)では疹が体幹より四肢に多く,肺炎を併発している.同様の疹分布を成人水痘でもまれならずみた.そこで疹の異常分布,水痘肺炎の発症機序を異型麻疹や痘瘡におけるアレルギー反応の知見から類推した.そして水痘では気道のIgAを刺激しない自然感染様式が存在すると想定され,後に経気道的に再感染を受けた場合にはアレルギー性肺炎を起こし,疹も免疫により修飾される可能性があるといえた.
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