Japanese
English
原著
らい腫に囲まれた皮膚線維腫
DERMATOFIBROMA IN LEPROMATOUS LESION
尾崎 元昭
1
,
原田 禹雄
1
Motoaki OZAKI
1
,
Nobuo HARADA
1
1国立療養所長島愛生園
1National Leprosarium Nagashima Aisei-en
pp.295-298
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201418
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38歳の男子のらい腫らい患者の右大腿に生じた皮膚線維腫の1例を報告する.この腫瘍は,らい腫らいの増悪にともなつて母指頭大の有茎性腫瘤となつた.しかし,組織学的には周辺のらい腫性肉芽腫と中央の皮膚線維腫とは明瞭に区別され,皮膚線維腫は線維性組織だけから成り,らい腫や組織球腫の所見を全くしめさなかつた.これは,組織球腫・硬化性血管腫・黄色腫などとは異なる,線維芽細胞由来の皮膚線維腫の存在とその腫瘍性を示唆している.あいまいな定義のままに用いられている線維腫という用語の問題点について考察を加えた.
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