Japanese
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綜説
瘢痕癌について—熱傷瘢痕癌を中心として
REVIEW AND CASE PRESENTATION OF SCAR TISSUE CARCINOMA WITH SPECIAL REFERENCE TO BURN SCAR CARCINOMA
藤田 英輔
1
,
木下 敬介
1
,
山本 慶一郎
1
Hidesuke FUJITA
1
,
Keisuke KINOSHTA
1
,
Keiichiro YAMAMOTO
1
1山口大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yamaguchi University School of Medicine
pp.429-442
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201311
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皮膚の瘢痕癌ないしはそれに近い範疇のものを,瘢痕の成因別に整理するとともに瘢痕癌の概念について検討した.瘢痕癌中,臨床上重要な位置を占める熱傷瘢痕癌を,癌化までの病変の経過によつて検討した結果,慢性型(瘢痕型および潰瘍型),急性型および慢性熱刺激型に分けられることを述べた.熱傷瘢痕有棘胞細癌(慢性型)および前癌と考えられる病変の各自験例として,それぞれ19例および3例の観察所見を記載するとともに,19自験例に本邦報告例を加えた計50例の熱傷瘢痕有棘細胞癌例(慢性型)に関する所見を基にして,熱傷瘢痕癌の発生頻度,性別,発生部位,癌化までの病変の経過,癌化時年齢,受傷から癌発生までの期間に影響を及ぼす因子,予防と治療,前癌病変および発癌機転に関して考察を加えた。
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