Japanese
English
原著
皮膚科領域における血清IgE測定の意義
IgE IN DERMATOSES
只野 寿太郎
1
,
赤坂 陽
2
,
大川 義栄
3
,
野上 有信
3
Jutaro TADANO
1
,
Hiroshi AKASAKA
2
,
Yoshitaka OKAWA
3
,
Arinobu NOGAMI
3
1順天堂大学医学部臨床病理学教室
2水戸日赤病院皮膚科
3水戸日赤病院中央検査室
1Department of Clinical Pathology, Juntendo University School of Mcdicine
2Department of Dermatology, Mito Red Cross Hospital
3Clinical Laboratory, Mito Red Cross Hospital
pp.297-300
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201287
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第5の免疫グロブリンであるIgEはレアギン活性を持つタンパク質として1966年石坂らにより同定され,アレルギー性疾患との関連が報告されている.即時型アレルギー反応を呈する疾患はPrausnitz-Kustner反応によつて比較的容易に証明できるが,遅延型アレルギーを呈するアトピー性疾患でのP-K反応は陰性例が多く,抗体の証明も必ずしも容易でない.このことから血清IgE値を知ることにより,レアギン最を推定し臨床症状や治療効果との関連を知ることが可能かどうかについて検討した.IgE値は臨床的にはアトピー性皮膚炎で最も高率に陽性となるが,その他アトピー性素因を持つ多くの疾患でも陽性を示す.臨床検査室のレベルでは本検査はアトピー素因の強さをスクリーニング的に知る検査法として応用できると思われる.
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